株式会社にはまずオーナーが存在します。このオーナーとは株式を購入して会社に資本を投資した人を言い、年に一度の株主総会が開かれます。株主総会では取締役を選出して経営方針を打ち出しますが、取締役員は社長(President)、書記(Secretary)、会計(Treasurer) を選出し、実質的な業務の遂行にあたります。
通常の株式会社はCコーポレーションと呼ばれ、法的見地からすると一人の市民とみなされます。
株主ともオーナーとも違う一つのシステムとなりますので、会社が倒産した時などに発生する金銭的責任は有限となり、株主ともオーナーも投資した資本以上の責任はありません。
また当然の事ながら、株式会社も他の市民と同じように税金を支払う義務が生じます。株式は発行数に制限はなく各種の株式を発行する事が可能ですが、株式に対する配当金を支払う前に税金を払うことが原則となります。株式会社はその帳票や諸々の記録を残しておく事が義務づけられており、それは会社のオーナーや株主の個人的な税金用とは別に用意をする必要があります。
会社の定款によって定められた取締役や監査役は、融資などに必要な署名は個人の署名に会社の役職を示す事により金銭的責任を制限することが出来るのも一つの特徴です。
また、新しい会社では信用度が無い為に個人の信用により融資を受ける事が可能ですが、その場合の金銭的責任は無限となりますので気を付けて下さい。株式会社設立の最大のメリットは個人の有限責任を意味し、その他にも以下のようなメリットが存在します。
株式会社の欠点
まず第一に挙げられるものに二重課税があります。
これは会社の利益の中から株式に支払われる配当を支払う前に税金を支払わなければならず、この配当が株主に支払われた後は個人レベルで配当額に対して税金を払う義務があるために二重課税となってしまうのです。しかしながら小さい会社では利益の大半をサラリーや賃金にあてるので配当金を支払うという事は可能性は低いので大きな問題ではありません。
Sコーポレーションは通常の株式会社のように法的に一人の市民とみなされます。株主ともオーナーとも違う一つのシステムとなりますので、会社が倒産した時などに発生する金銭的責任は有限となり、株主ともオーナーも投資した資本以上の責任はありません。
まずCコーポレーションと違う点は、 株式発行人数が75人までと制限されて、株式も1種類しか発行できませんので小さな会社向けの会社形態と言えます。 しかしアメリカ在住の方でないとこの会社形態を選択することが出来ませんので日本在住の方は通常のC-CORPORATIONしか選択できませんから注意が必要です。
また、パートナーシップ(合名会社)として税金を支払うことが可能なので会社と個人(株主)が切り離された存在であるのにも関わらず、税金は個人の所得税として申請することが可能です。しかし税金のプランニングをしっかり立てないと、会社の利益が大幅に出た場合は会社よりお金を貰っていないのにもかかわらず個人の税金申告時には利益分の税金を支払わなければいけませんからびっくりされる方も多いようです。しかも法人所得税より通常高い個人所得税のレートで支払わなければいけませんから、しっかり税理士に相談をしましょう。
LLCは株式会社とパートナーシップの属性を併せ持ったハイブリットな形態の会社です。歴史は浅く、訴訟問題が起きたときも法廷でケースバイケースで判決が下されている感も否めませんが、一般的に小さなビジネス向けに形成されております。
まず、株式会社と同じくLLCは個人とビジネスを切り離す「有限責任」の役割を果たしますから、もし会社が倒産した場合でも借金などの債務はオーナー個人にありません。会社設立時に作成する経営規約(Operating Agreement)をしっかりとしたものにしておけばその後のメンテナンスは殆ど必要ありませんがその為に、州法やIRS(税務局)の法律に沿ったものを作成する必要があります。
税の優遇
LLCは株式会社のようにオーナー個人がビジネスと別々に切り離されて考えられる(有限責任)という事は前述しましたが、課税方法は全く異なります。LLCの会社自体で税金を支払わず、オーナー自身が個人の所得として税金を支払う様に設立する事が可能です。ビジネスライセンスだけで個人事業としてビジネスしていたように、個人の税金申告にLLCの税金を含める訳です。IRSの課税方法をフレキシブルに適応していくことが可能なので、個人所得に合わせたプランを立てられます。
資本を投入するのが簡単
LLCは新しいオーナーを新しく入れる事で簡単に増資が出来ます。LLCでオーナーは「メンバー」と呼ばれその人数に制限はありません。そのメンバー=投資家は会社であっても個人であっても、ペンションプランであっても、トラストであっても構いません。極端な事を言えばネバダ州などはアメリカ人でなくとも日本に在住している日本人であってもメンバーになる事が可能です。
会社の維持がシンプル
LLCの大きな特徴として「契約の自由」(Freedom to
contract)という原則のもとに会社が形成されています。オーナー(メンバー)達はその中のルールと約束だけに従って会社経営をする事が許されており、法廷でもそのAgreementが通用します。株式会社に必要とされる一連の決議書、訂正案の記録、会議録などはLLCには義務づけられておらずもしそれが無かったとしても、LLCが一個人に提供する法的責任は維持できるようになっています。
パートナーシップは日本で合資会社と呼ばれ、2人の経営者が一つのビジネスに携わる形式を指します。実際にパートナーシップでビジネスをする大半の会社が経営がうまくいきません。「結婚より難しい」といわれるパートナーシップは会社設立の際に作成される契約書が綿密に作成されていない為にいざこざが生じ、損益が出た場合や、利益分配は勿論のこと、一人が不幸にして死亡してしまった場合やビジネスを売却したい場合など多岐に渡るシチュエーションを想定して契約書を作成する必要があります。弊社ではC-CORPORATIONやLLCの優れた会社形式がある為にPARTNAERSHIPの設立はあまり良い選択肢であると考えておりません。